火災保険の免責金額はいくらにする?0円〜20万円の決め方と2026年10月の変化

火災保険の免責金額はいくらにする?0円〜20万円の決め方と2026年10月の変化

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見積書や更新案内に「免責金額(自己負担額)」という欄があります。0円のままにするか、5万円や10万円に上げて保険料を抑えるかを、この欄で決めます。

火災保険の免責金額は、事故のときに自分で負担する金額です。高くすれば保険料は下がり、そのぶん受け取る保険金は減ります。2026年10月からは、選択肢に20万円を加える会社があります。この記事では、免責金額の仕組みと、金額を決めるときの物差しを整理します。参照するのは保険会社の公式案内と、財務省・日本損害保険協会・損害保険料率算出機構の資料です。

特定の金額を勧めることはしません。決めるための材料を並べます。

火災保険の免責金額とは、損害額から差し引く自己負担のこと

補償の全体像は火災保険の補償内容、保険の成り立ちは火災保険の仕組みの記事にまとめています。

損害額から差し引く金額

大手損保の公式FAQは、免責金額を「お支払いする保険金の計算にあたって損害額から差し引く金額」と説明しています。自己負担額と呼ぶ会社もあり、指しているものは同じです。

式にすると「損害額−免責金額=保険金」です。免責金額が5万円で損害額が30万円なら、受け取るのは25万円になります。損害額が5万円以下なら、保険金は出ません。

全損のときは差し引かない商品がある

火事で家が全焼したような場合は、扱いが変わることがあります。確認した2社の公式資料は、どちらも全損のときは免責金額を差し引かないと定めていました。

免責金額が効いてくるのは、小さな損害や中くらいの損害のときです。損害が大きくなるほど、免責金額の占める割合は小さくなります。

「20万円以上なら支払う」は免責金額ですか?

答え免責金額ではなく、20万円以上なら全額を払う別の方式です。

一部の契約では、風災などの補償に「損害額が20万円以上の場合に支払う」という条件が付いています。ある大手損保のよくある質問は、この20万円は免責金額ではないと答えています。損害額が18万円なら保険金は0円、21万円なら21万円を全額支払う、という例です。

免責金額20万円なら、21万円の損害で受け取るのは1万円です。同じ「20万円」でも、支払われ方がまったく違います。証券に20万円とあったら、どちらの方式かを確かめてください。

火災保険の免責金額20万円と「20万円以上で全額支払い」の受取額の比較

免責金額20万円(差し引いて支払う) 20万円以上で全額を支払う 0円 0円 1万円 21万円 30万円 50万円 損害額18万円 損害額21万円 損害額50万円

受け取る保険金を比べた図です。18万円・21万円の例は大手損保のよくある質問により、差し引く方式は「損害額−免責金額」で計算しています。

火災保険の免責金額は、会社と事故の種類で決まり方が違う

選べる金額は、会社によって0円から100万円まで幅がある

選べる金額は会社と商品で異なります。公式サイトで確かめた4社の例を並べます。1行が1社の例です。

選べる金額の例 条件
0円のみ 免責金額を設けない商品
0円・5万円・10万円 事故の種類によっては別の金額が自動で付く
0円〜10万円の5段階+20万円 20万円は2026年10月1日以降に始まる契約から
なし・3万円〜100万円 全事故に共通で付ける場合。風災などだけなら20万円まで

会社名は記事末の資料欄に載せています。

事故の種類ごとに別々の金額が付く

免責金額は、契約全体で1つとは限りません。風災・雹災・雪災だけに付けるもの、すべての事故に共通で付けるものなど、設定の単位が商品ごとに違います。破損・汚損の補償には、選んだ金額とは別に5万円の免責金額が固定で付く商品もあります。

0円を選んでも自己負担が残る事故がある

確認した商品の1つは、免責金額0円を選んでも、築15年以上の建物では風災・雹災・雪災に5万円が自動で付くとしています。破損・汚損と水ぬれには、築年数にかかわらず5万円です。

0円で契約したから自己負担はない、とは言い切れません。見積書では、事故の種類ごとの金額まで見てください。

2026年10月、選択肢に20万円を加える会社がある

ある大手損保は、2026年10月1日以降に保険期間が始まる契約から、選べる自己負担額に20万円を加えます。同社の案内は、自己負担額を高くすると事故のときの負担は増えるものの、保険料を抑えられると説明しています。

同じ案内は、保険料の改定幅は契約内容や建物の建築年月、構造などで異なるとしています。全国平均の改定率は載っていません。これは会社ごとの商品改定で、損害保険料率算出機構が算出する業界共通の参考純率の改定とは別の話です。参考純率の最新の届出は、2023年6月21日のままです。

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免責金額を上げたときの、保険料と受取額の変わり方

免責金額を動かすと、保険料と受取額の両方が変わります。保険料の差は見積もりを取らないと分かりませんが、受取額は計算で出せます。

保険料は下がるが、下げ幅は見積もりでしか分からない

免責金額を上げると、小さな損害の分を保険会社が払わなくなります。そのぶん保険料が下がる仕組みです。確認した公式資料も、自己負担額を高くすれば保険料を抑えられる、負担を軽くできると説明しています。

ただ、いくら下がるかを示した公式の数字は見つかりませんでした。下げ幅は所在地、構造、築年数、保険金額、付けている補償によって変わります。自分の家の数字は、免責金額だけを変えた見積もりを並べると確かめられます。保険料を決めるほかの要素は火災保険の相場の記事で説明しています。

受取額は「損害額−免責金額」で減る

受取額のほうは計算で分かります。損害額を30万円と仮に置き、免責金額ごとに並べると次のとおりです。

免責金額 受け取る保険金 自分で払う額
0円 30万円 0円
5万円 25万円 5万円
10万円 20万円 10万円
20万円 10万円 20万円

損害額は説明のための仮の数字です。実際の支払額は、保険金額や契約の条件で変わります。

免責金額10万円のまま損害額を動かしたのが下の図です。損害が小さいほど、自分で払う割合が大きくなります。

火災保険の免責金額10万円のときの損害額別の受取額と自己負担

受け取る保険金 自分で払う額 受取0円 受取5万円 受取20万円 受取50万円 損害5万円 損害15万円 損害30万円 損害60万円

免責金額10万円で損害額だけを変えた場合の受取額です(損害額は仮の数字で、図中の金額は受け取る保険金)。

火災保険の免責金額を決める3つの物差し

どの金額が正しい、という答えはありません。次の3点を当てはめると、候補が絞れます。

手元の資金で払える額か

免責金額は、事故が起きたときに自分で払う金額です。修理代をすぐに出せる貯蓄があるなら、高めの設定も選択肢に入ります。急な出費が家計にこたえるなら、低めに置くほうが落ち着いて対応できます。「いくらまでなら保険なしで直せるか」を先に決めておくと、金額を選びやすくなります。

小さな損害が起きやすい住まいか

子どもが小さい、窓や外壁が風を受けやすい、家財に壊れやすい物が多い、といった家では、数万円規模の損害に保険を使う場面が増えやすくなります。免責金額を上げると、その場面で保険金が出にくくなります。反対に、小さな損害は自分で直すと決めているなら、免責金額で保険料を下げる考え方と相性がよくなります。

築年数も材料になります。前の章で見たとおり、築年数によって免責金額が自動で付く商品もあります。築年数のたった家では、選んだ金額とは別の自己負担が付いていないかも見てください。

補償ごと外すか、免責金額で残すか

保険料を下げる方法は、補償を外すことと免責金額を上げることの2つに分かれます。補償を外せば、その事故では大きな損害でも保険金は出ません。免責金額を上げるだけなら、大きな損害への備えは残ります。

どちらが合うかは補償によって違います。水災は火災保険の水災はいらない?、破損・汚損は火災保険の破損・汚損はいらない?の記事で、外すかどうかの判断材料を整理しています。

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見積書と証券で免責金額を確かめる手順

日本損害保険協会は、補償される範囲は火災保険の種類で異なるとして、保険会社や代理店への確認を促しています。免責金額も同じです。手元の書類で、次の4点を確かめてください。

確認すること 見る場所とポイント
金額 証券や見積書の「免責金額」「自己負担額」の欄
付く事故 全事故に共通か、風災・雹災・雪災だけか
自動で付く金額 破損・汚損や水ぬれに、固定の金額がないか
支払いの方式 「20万円以上で支払う」型の条件がないか

複数の見積もりを比べるときは、免責金額をそろえないと保険料の差が読めません。条件のそろえ方は火災保険の一括見積もりの記事で手順にしています。

見積もりを頼むときは、免責金額だけを変えた2通りを出してもらうと差が読みやすくなります。たとえば0円と10万円のように、ほかの条件をそろえて金額だけを動かします。保険料の差と、10万円を自分で払う場面がどれくらいありそうかを比べれば、選んだ理由を数字で説明できます。

火災保険の免責金額でよくある質問

免責金額と保険金額は何が違いますか?

答え保険金額は補償の大きさ、免責金額は差し引く自己負担です。

日本損害保険協会によると、保険金額は建物や家財の評価額を基準に設定します。同等の物を建て直す、買い直すための金額(再調達価額)で決める契約が一般的です。免責金額は、保険金を計算するときに損害額から差し引く金額です。名前は似ていますが、役割は別です。

契約の途中で免責金額を変えられますか?

答え会社と商品によるため、契約先への確認が必要です。

変更できるかどうかも、変えたときの保険料の精算方法も、契約によって異なります。更新時に見直せる契約もあるため、満期日の前に契約先へ確認しておくと慌てずに済みます。

地震保険にも免責金額はありますか?

答え地震保険は、損害の程度の区分で支払額が決まります。

財務省の説明では、2017年以降に始まる契約の地震保険は、損害を全損・大半損・小半損・一部損の4区分で認定します。支払うのは保険金額の全額、60%、30%、5%です。限度はそれぞれ時価額、時価額の60%、30%、5%です。自己負担額を選んで差し引く火災保険とは、考え方が異なります。

免責金額を20万円にすると、どんな損害が自己負担になりますか?

答え損害額20万円以下の事故では、保険金が出ません。

20万円を超えた分は支払われます。25万円の損害なら受け取るのは5万円です。20万円以下の修理は、すべて自分で払う前提になります。全損のときの扱いは商品によるので、あわせて確かめてください。

まとめ:免責金額は「払える額」と「保険料の差」で決める

火災保険の免責金額は、損害額から差し引く自己負担です。上げれば保険料は下がり、小さな損害では保険金が出にくくなります。選べる金額や、どの事故に付くかは会社と商品で違います。2026年10月からは、選べる金額に20万円を加える会社があります。

決めるときは、手元の資金で払える額か、小さな損害が起きやすい家か、補償ごと外すのとどちらが合うかを当てはめます。保険料の差には公式の目安がないので、免責金額だけを変えた見積もりで確かめてください。

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参考にした資料

公的機関・業界団体の資料

  • 財務省「地震保険制度の概要」 https://www.mof.go.jp/policy/financial_system/earthquake_insurance/jisin.htm
  • 日本損害保険協会 損害保険Q&A 問51(補償される範囲) https://soudanguide.sonpo.or.jp/home/q051.html
  • 日本損害保険協会 損害保険Q&A 問55(保険金額の設定) https://soudanguide.sonpo.or.jp/home/q055.html
  • 損害保険料率算出機構「火災保険参考純率」 https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/

保険会社の公式ページ

  • 損保ジャパン「2026年10月 火災保険改定のご案内」 https://www.sompo-japan.co.jp/kinsurance/habitation/announce/
  • 損保ジャパン よくあるご質問(風災の「20万円以上」と免責金額) https://faq.sompo-japan.jp/tokuyaku/faq_detail.html?id=200346
  • 東京海上日動 よくあるご質問「免責金額(自己負担額)とはなんですか?」 https://faq.tokiomarine-nichido.co.jp/faq/show/6081
  • 日新火災 自己負担額(免責金額) https://direct.nisshinfire.co.jp/jiyujizai/basic/period.html
  • セコム損保 免責金額の設定 https://www.secom-sonpo.co.jp/anshinmyhome/points/disclaimer.html
  • チューリッヒ 免責金額の解説 https://www.zurich.co.jp/fire/guide/deductible-amount/

この記事は一般的な情報の整理を目的としたもので、特定の保険会社・保険商品への加入や解約を推奨するものではありません。また、当サイトは保険の募集行為を行うものではなく、保険契約に関する最終的なご判断は、各保険会社・代理店にご確認のうえご自身で行っていただきますようお願いいたします。

免責金額の選択肢、免責金額が付く事故の種類、全損のときの扱いおよび保険料は、保険会社・商品・契約内容によって異なります。記載の選択肢や改定内容は各社が公表した範囲の例で、すべての商品に共通するものではありません。記載内容は2026年9月時点の公表情報にもとづきます。ご自身の契約条件は、ご契約の保険会社または代理店にてご確認ください。

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